【漫画の描き方】初心者が一番早く上達する方法はトレース!

トレースばかりやってたんじゃ上達しないんじゃないかと思うでしょうが、それは違います。

   

トレースを上手に活用していけば恐らく独学で練習するよりも、上達するのが数段早くなるでしょう。

ただ漫然とトレースしていたのでは上達はしません。

 

トレースをいかにうまく取りいれるか、これから説明していきたいと思います。

   

描いても描いても上達しない、どうしたらうまく描けるんだろうと悩んでいる人も沢山いることと思います。

今立ちはだかっている壁を乗り越えるとその後は、かなり伸びるはずですのでご自分で実際に試してみて実感してみてください。

   参考になれば幸いです。

漫画の描き方、初心者が一番早く上達する方法はトレース!

   どんな世界でも初心者さんが最初にやるべきことは、諸先輩方のマネから入ることです。

スポーツや演劇や芸術・・・あらゆる趣味、 どんなものであれゼロから独学でやるほど効率が悪いものはありません。

   

14歳棋士「藤井四段」驚異の17連勝快進撃は記憶に新しいと思いますが、彼はたしかに天才かも知れません。

しかし、初心者の頃は必ず基本や定石は学んでいるはずです。

   

将棋の世界だけではなく、漫画の世界にも早く上達するための定石はあります。

   

ただし、漫画には将棋とは違って8つのことをこなさなければなりません。

  1. 原案(ネタ)
  2. プロット(話作り。取材をする場合有り)
  3. キャラ・世界観設定
  4. キャラデザイン
  5. ネーム(ストーリー作り&構成)
  6. 下描き
  7. ペン入れ
  8. 仕上げ

しかもこの8つそれぞれに定石があります。

   

今回はキャラデッサンに絞って説明していきたいと思います。

   

無駄なデッサンはするな

何やら厳しい言葉のように思われるでしょうが、しっかり読んで頂ければ解ってもらえるはずです。

どういう意味かといいますと、最初のうちは自分の想像でキャラを描くのはやめた方が良いという意味です。

   

漫画は型が大事

多くの初心者さんを見ていて思ったのが、間違ったデッサン方法をしているなということです。

漫画は絵を上手に描くことが大事なのではなく、どう”上手に見せるか“または“漫画らしく見せる”かが大事です。

漫画は芸術ではありません、エンターテインメントです。

いくら写実的にキャラが描けてもキャラが活き活きしていなければ読んでもらえません。

   

売れている人気漫画を見てください、その漫画は必ず個性豊かで活き活きしていて感情移入できるはずです。

だからこそその漫画をあなたは選んで読んでいるわけですよね。

つまり上手に描くことではなく、動きのある生きたキャラが描けたら読者は自然に感情移入し始めます。

ではどうしたらそんなキャラが描けるようになるのでしょう?

   

“をまるごとマネして覚えてしまう、つまり先ほどの定石というやつです。

   

型を覚える

それにはトレースを活用するのが効果的です。

トレースはなにも背景だけではありません、アニメや映画などのキャラをトレースすることで動きの型を覚えるのが最も手っ取り早い上達法です。

   

ここでこんな疑問が浮かんだ人がいると思います。

 

ものまねしたら、自分の味(個性)がなくなってしまうのでは?」・・・と

大丈夫です、全く問題ありません。

   

手・足や洋服のシワや様々なポーズは誰が描いたものでもそんなに大きな差はありません。

どんどんマネ(トレース)してかまいません。

   

問題は「顔」ですが、顔もどんなにトレースしようが100%同じになることはありえません。

それは筆跡と同じで、あなたの個性は必ず・・・嫌でも滲み出てきます

あなたの”クセ“はそう簡単には消せませんし消そうと思ってもまず無理です。

(アラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい」という映画の中では筆跡を真似するシーンがありましたが・・・これはたった一つの名前だけに特化したからです。文章を書いたらやはり自分の本来の筆跡は隠せません。)

   

気に入ったシーンをどんどんトレースしていき、体で覚えていきましょう。

数百ポーズも描いているうちに、トレースしなくても描けるようになってきます。

なんだか気が遠く感じるかも知れませんが、人間の基本動作はたった3つしかありません。

  • 立つ
  • 座る
  • 横になる

この基本動作にアレンジが加わると、ジャンプしたり走ったり転がったりするだけで基本はこの3つしかないのでこれをベースにトコトン練習します。

   

さらに描き続けているとあなたのクセが個性として自然と滲み出てきます。

それを強調していくも良し、とにかく手っ取り早く上達するにはものまねから入ることをオススメします。

   

   

上手な違和感のない”絵”を真似ることが早く上達するコツですが、オススメしないのが自分なりに独学(頭で想像)で描き続けることです。

   

独学というのは聞こえはいいのですが、例えばどう見ても手足の大きさがおかしくバランスが狂っていたりしても気が付かない場合が往々にしてあります。

そのおかしな狂った絵が身についてしまうと、今度は直すことが非常に困難になります。

私の所に来ていたアシさんがやたら手が大きいキャラを描いていたんですが、それを指摘してもきょとんとしていました

(^_^;

言われて初めて気がつくのですが、それは独学の弊害と言っても良いかもしれません。

指摘されなければ、気がつくまでに相当な時間がかかったかもしれません、いやそのおかしな絵を一生描いていたかも知れません。

まさに独学の落とし穴といったところでしょうか。

   

ここであなたに質問です。

   

あなたは耳の位置を知っていますか?

例えば人間の「耳の位置」ってどこだと思いますか?

   

   

これを正確に答えられる人はそういません、なぜなら何となくしか意識していないからです。

「何となく」絵を描くのと、「理解」してから描くのとでは上達に差が出ます。

さらに理解して描くメリットは、基本が出来ているので応用力が効く、つまりどんな角度だろうが描けるようになるということです。

   

   

<正解>

多くはAが正解だと答えたと思いますが、なぜAなのでしょう?

人の耳の位置は目頭の位置と同じ位置に耳の付け根があるんです。

いままでこの事を意識して描いていましたか?

   

子供の場合は位置が実は下がります。

子猫を観察してみてください、親猫は頭から耳が出ていますが子猫は人間のように横から耳が出ているんです。

なので横(下)のほうから耳が出ていると幼く見せることが出来るということです。

耳一つとってもこれだけの情報があるわけですから、人や動物などの体を勉強するというのは実に奥が深いものがありますね。

ここで言いたかったことは、トレースといえど漠然としてはいけないということです。つねに意識しながら描いてください。

   

キャラをトレースしてみよう!

キャラトレースのやり方

※(アナログでもかまいませんが、ここではデジタルでのトレースをオススメします)

<タダで素材を用意する>

使用ソフトはコミスタでもクリスタでもフォトショップでも何でもかまいません。

   

素材はなにもDVDなどを買う必要はなく、ネット上の動画配信サービスなどを利用します。

今は沢山ありますから、ご自分の好きなところからでいいでしょう。

例えばnetflix、abemaTV、Amazonプライムビデオ、Hulu、YouTube、ニコニコ動画など。

そういった所から好きなシーンの画面をキャプチャしましょう。

オススメなのがバンディカムです。

バンディカムはネット上にある画像や動画は、ほとんど録画やキャプチャすることが出来ます。

詳しくはコチラの記事で説明してあります。▼

 

abemaTV(アベマ)を最も簡単に無料で録画する方法とは!?

   

作画ソフト上に画用紙(レイヤー)を一枚用意しておきそこへ貼り付けます。

解像度はカラーなら300dpi グレーなら600dpiの用紙でいいでしょう。

練習なのでグレー600dpiでいいでしょう。

※(漫画雑誌やコミックスからトレースしたい場合は、スキャンするかデジカメで撮って取り込みましょう)

貼り付けたキャプチャー画像の上に作画レイヤーを1枚乗せますが、これがトレーシングペーパーの役割になります。

キャプチャー画像の不透明度を下げて先ほどのレイヤーにトレースしていきます。

 

コツは細かなところは気にしないこと、型を体で覚えるためにトレースするのですから、細かな”部分”というよりは全体を捉えるようにしましょう。

   

そのアニメや映画など最初のシーンから、最後まで全てのシーンを片っ端からトレースしてみます。

 

トレースの流れ

画面キャプチャ

コピペで貼り付け

トレース

新しいレイヤー作成

次のキャプチャ画像貼り付け

トレース

   

この流れをスムースに効率よく考えながらやってください。

   

注意点

ただし作業のように漫然とやるのではなく、しつこいようですが必ず意識してやることです。

このポーズ、この腕、この手、この足、この角度の鼻や口の描き方、・・・等々

しっかり覚えていきましょう。

   

最終的には、トレースしなくても自然に描けるようになることがゴールです。

それをしっかり肝に銘じてやらなければ、徒労に終わります。

   

実際にやってみよう!

(出典:Netflix、”東京喰種 トーキョーグール”より 以下同様)

例えばこのようなどこかでお茶をしているようなシーンがあったのでキャプチャしました。

これをクリップスタジオへ貼り付けます。

貼り付けた時、不透明度を下げますがそうすると一番下のレイヤーにチェッカー柄が出てきてしまうので白く塗りつぶしましょう。▼

 

これでトレースがしやすくなりました。

   

   

あとは鉛筆でもペンでも何でもかまいませんから、どんどん覚えるんだという意識でトレースしていきます。

   

こういった何気ないお茶するシーンや、食事などのシーンは意外と難しいものです。

なぜなら当たり前すぎて、普段から意識していないからです。

意識していないということは、想像してもリアルな映像が浮かびにくいものです。

   

   

デッサンの上手い人は人間の骨格や筋肉や関節を熟知していますから、どんなポーズも簡単に描けてしまいますがそこまでに行くには相当な努力と時間がかかります。

   

漫画家は芸術家ではありません、気にしないでどんどんマネするところから入りましょう。

エンターテインメントを提供し読者に喜んでもらい、その対価としてお金をいただくわけです。

しっかりしたものを描けるようになり、いち早く提供できるように頑張りましょう。

   

   

これをペン入れしてもかまいませんし、もう一枚白紙のレイヤーを足して今度はトレース無しで描いてみてもいいですね。

今後こういったシーンが出てきた場合は、今までよりも楽にスムースに描けるようになっているはずです。

   

こういったシーンも苦手な人は結構いるのではないでしょうか。

こういったシーンがサラッと苦もなく描けなければ、漫画家には到底なれません。

しっかりマスターしちゃいましょう。

   

   

どんどんトレースしていき自分のものにしていきます。

腰の角度や腕の曲がり具合、服のシワのよりかたなど全て意識して覚えてください。

   

   

 

影の付き方は(光源にもよりますが)、アニメは非常に解りやすいのでトーンを張る時などの参考にしてみてください。

   

 

   

 

   

 

   

背景などもある程度描き込むことで、いつか役に立つ時がくるでしょう。

まとめ

トレースは巨匠池上遼一先生も常に使っていますが、初心者さんも是非活用して頂きたい上達法の一つです。

背景はもちろんですが、キャラの上達にはもってこいの手段です。

   

出来たらデジタルでやりましょう、トレーシングペーパーも必要ないですし。

目にも優しいです。

   

昔、アナログ時代にはトレース台を活用していましたが目にきついんですよね・・・おかげでメガネが必要になるくらいまで視力が落ちてしまいました。

   

さて、とにかくアニメ映画1本分くらいやってみたら何となくキャラのあらゆる”ポーズ”が身につくはずです。

 

そして、そこから自分なりに少しずつ動きを変えていけば360度あらゆるポーズが描けるようになるでしょう。

   

そうなると、今度は描くことが苦ではなく楽しくなってきている自分に気が付くはずです。

   

   

では、頑張ってください!

 

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コメント

    • つばき
    • 2022年 5月 21日

    同じく同感です
    なんか漫画を全く描いたことのないズブの素人が漫画を描こうともどうやっても素人臭が出てしまいます
    そもそも人間は模倣して覚える生き物です
    いきなり料理でなにも解らず包丁持たされて人参切ろうとしても無理になります
    料理もいきなり自己流ではなく家族や先生に教えて貰いそれを見て覚えてやって真似して覚える
    漫画も同じでまずは実際出ている本を真似して覚えることで作り方が解るようになります
    実際まずはトレースから始めたら制作の流れはわかることができました
    しなかったころはそれすらわかりませんでした
    但し商品は著作権により守られていますからオリジナル本を作るためには自分で考えて作るしかありません
    構図や流れが全く同じだと著作権侵害になってしまいます

      • miyatuka
      • 2022年 6月 10日

      つばきさんコメントありがとうございます。
      どんなにトレースしても文字の筆跡同様完全には自分を消すことは
      できません。
      なので沢山真似しても、そこから自分らしさもにじみ出てきます。
      真似をするという意味は細かいディテールまでそっくりに模倣するということではなく
      構図とかパターンを身に着けつるという意味ですので。
      安心して真似から入りましょう^^

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