これから本格的に漫画家を目指す方は、まずパソコン環境を準備しなければなりません。
今どきはデジタル入稿が当たり前となりました。
私がまだアシスタントをやっていた頃は、担当編集さんが原稿が完成するのをいつも待っていました。
中にはホワイトなど手伝ってくれる人もいましたし、担当さんと仲良しになり、担当さんから一回描いてみるかい?なんてお誘いも時々あったりしました。
それはそれで良い時代だったのかなと思います。
しかし今は、わざわざ取りに来る編集さんはそういないでしょう。
とにかくパソコン作業に慣れると、アシスタント一人分くらいの仕事効率は上がります。
それだけでも心強い味方といえますね、デジタル環境は必須と言えます。
Contents
プロ漫画家が使うデジタル環境公開!PCスペックやタブレットのおすすめ構成
まずは私のデジタル環境(PCスペック)を紹介します。
今から7年ほど前の古い構成なのですが、当時としては最新のスペックでした。今も現役でバリバリ仕事をしてくれています。
パソコンスペック公開
私はパソコンを自作するのも趣味なのでパーツなどは全て自分で揃え、自分で組み立てました。
(組み立て期間2010/11/12~2011/01)
※価格は当時のものです。
電源 |
ENERMAX INFINITI-JC (720W ATX電源)[EIN720AWT-JC] |
21000円 |
CPU |
インテル(R) Core(TM) i7-3770 (3.4GHz) |
27800円 |
ケース |
ANTEC Three Hundred(HDD6台搭載可能!ファン2基搭載で冷却性も抜群) |
7380円 |
マザーボード |
ASUS P7P55D |
12800円 |
ハードディスク(録画&データバックUP用) |
HDD1/ |
7341円 |
ハードディスク(普段のデータ用) |
HDD2/ |
6210円 |
OS |
Windows7home32(現在はWindows10、64) |
19229円 |
メモリ |
シー・エフ・デー販売 メモリ × 2 (8G)現在は16G |
5431円 |
マルチドライブ |
BUFFALO DVD-RAM/±R(1層/2層)/± |
3040円 |
グラボ(ビデオカード) |
SAPPHIRE ビデオカード SAPPHIRE VAPOR-X HD5770 1G GDDR5 PCI-E DUAL DVI-I/HDMI/DP |
19697円 |
TVチューナー |
- |
- |
液晶タブレット |
ワコム wacom Cintiq 21UX 2010年モデル |
202000円 |
液晶モニタ |
iiyama 21.5インチワイド液晶ディスプレイ 1920×1080 |
16500円 |
液晶保護フィルム |
ELECOM 液晶保護フィルム(反射) |
2462円 |
グリース(CPU接触面) |
AINEX シルバーグリス [AS05] |
1751円 |
水冷キット |
CORSAIR 水冷CPUクーラー CWCH5 |
8860円 |
ファン |
オウルテックオリジナルLED静音12cm ×3 |
5037円 |
その他 |
キーボードやマウスなど(たびたび買い換える) |
- |
一番高価なのが液晶タブレットですが、それはぱっと見の感覚でのことで、これがどれほど役に立ってくれたか・・・。
20万円~なんて安すぎると思うくらい重宝してます。
(ガラス面はかなりツルツルするので、エレコム ワコム ペンタブレット Cintiq 22HD/Cintiq 22HD touch対応 フィルム ペーパーライク 指紋防止 反射防止 21.5インチ 【日本製】を貼ってます。)
電源が720wもあるのは、将来周辺機器やHDDやSSDなど増設なども視野に入れていたからで、十分すぎる容量です。
普通に使う分には500wもあれば問題ありません、というかそれでも余裕があるでしょう。
(ミドルタワーの良いところは、後からパワーアップするときの増設が非常にやりやすい点ですね。その分場所をとりますが)
(CPUの冷却は水冷が一推しです、非常に静かです。ネーム中って余計な騒音で気が散りやすくなります。モーター(ファン)の音って結構耳障りですよ。)
(このコルセアは水の入替不要なのでメンテナンスフリーで楽です)
(自作する人はCPUの接着面に塗布するグリースはケチらない方がいいです。高級なものほど冷え方(性能)はいいです)
(メンテナンスしやすいケースとなると、やはり自作用ケースですね。メーカーものは非常に作業がしにくいです)
(当時は定番のマザーボードでした、今も不具合なく働いています。先日もUSB3.0をPCIで増設したばかりでトリプルモニターにしました。証券会社?のような状態ですw)
必要最低限の構成は?
基本的には絵がスラスラ描けさえすればいいのですから、私のスペックは正直オーバースペックです。
というのも実は当時、オンラインゲームもやりたかったというのがありハイスペックにしたのですが、スタッフが使ってたマシンは安価なCore2Duoマシンだったりします。
それでもなんの問題もなく作業できてましたから。
なので例えばBTOショップなどでは、ゲームマシンなんかではなく、ごく普通のスタンダードモデルで十分と言えます。
漫画を描くソフトはそれほどハイスペックでなくても問題なく使えます。
おすすめBTOショップ
自作は不安だという人は、初めから組んでくれるお店がいいでしょう。自分の好みのスペックで好みのパーツを組み合わせOSもインストールして販売してくれます。
おすすめはパソコン工房です。
ここにはクリエイターパソコンというハッキリしたカテゴリーがあるので、画像や動画編集に特化したマシンを選べるから悩む必要がありません。
スペック的にも全く問題ありません。
値段もこんなものだと思います、これが他のゲーミングマシンショップだと、オーバースペックぎみになるので値段もその分上がります。
もしゲームもしたいと言う場合は、ゲーム専用マシンを別に買うようにしてください。
仕事用のマシンには出来るだけ余計なものは入れないことが、トラブルを避ける唯一のコツです。
おすすめタブレットは?
あなたが本気で漫画家を目指しているのでしたら、液晶タブレット一択です。
21インチ以上のものを思い切って買いましょう。
13インチクラスが一番売れてる理由は、漫画ばかりではなくイラストを描く人が多いからだと思います。
イラストだと13インチクラスで十分ですが、漫画は原稿用紙の全体把握を広い画面でやる必用があります。
それも出来るだけ実物大で確認した方が断然良いです。
画面が小さいと拡大縮小がかなりわずらわしく、いつかは21インチ以上が必ず欲しくなります。
結局買い換えることを思えば、最初から大きい方を選んでおいた方がお得なんです。
Amazonでは(2018/08/02現在)ワコム 液タブ 21.5インチ Cintiq22HD DTK-2200/K1がプライム会員価格で¥ 180,752でした。
中古だと13万円クラスで手に入ると思います。(ただし故障のリスクは高くなります。保証書はあるとおもいますが)
私はスタッフが2人ほどいたときは、もう一台Cintiq22を中古で購入しました。
ただ、ある日突然画面が映らなくなったんで修理に出しました。
原因はコンデンサとかだったかな、まぁ中古はリスクが伴うことを覚えておきましょう。
おすすめソフトは?
これに関してはコチラの記事で詳しく解説してますので参考にしてください。
<【漫画の描き方】漫画作成おすすめソフトは結局何が一番良いのか?>
その他にあると便利なもの
「モニター」
先ほどのパソコン工房で、モニターも一緒に購入した場合、液晶タブレットと2つになるのでデュアルモニター構成となり色々と便利になります。
液晶タブレット側は作画領域、もう一台のモニターはブラウザや資料領域というふうに使い分けが出来ます。
なのでモニターは2つあるといいですね。
「ブックスタンド」
地味に役立ちます。
「孫の手」
背中をかくとホッとしますw
Windowsを勧める理由
自分は実はマック大好きでファンなのですが、こと漫画作成の場合はどうしてもWindowsでなければならない理由があるんです。
「インクノート」
それはエバーノートの機能の一つで、インクノートというのがあるんですが、直接手書きでメモやラフ書きができる優れもので、自分はこれにプロットやざっくりしたアイディアやラフネームなどをよく描き込むんです。
非常に重宝してます。
ただ、マックではこの機能が使えないんですよね。
まぁ似たような手書きソフトを探せば良いだけのことなんですが。
他にもWindows専用とといった、ソフトもけっこうあるのでWindowsが自然とメインになってしまいました。
以上のことは得に気にしないという人は、もちろんマックでもかまいません。
昔はマックが主流でしたしね。
まとめ
完全ペーパーレス化したのが、2011年からですからもう7年が経ちました。
当初は本当にペーパーレス化出来るのか不安でした。
それまでは生原稿をスキャナーで読み込んで、ゴミ取りなどをしてたセミペーパーレス化は長いことやっていました。
ただ、直接PC内でネームもペン入れもしちゃえば原稿用紙もいらなくなるし、インクも絵の具も定規もカッターも何もかもいらなくなります。
アナログ時代は、スクリーントーンは2ヶ月に一度まとめ買いしてました。だいたい2~3万円の出費です。
ペン先、インク、消しゴム、原稿用紙、トレーシングペーパー、絵の具、その他文具用品もろもろ・・・
なんだかんだと経費は掛かります。
しかし全てPCで賄えばその分全部浮くわけです。ゴミも出ません。
しかもそれだけではなく、ホワイトやベタにようしてた作業時間は10分の1以下・・・どころではないんですから。
数クリックで終了しますからね。
あとは原稿ファイルをサーバーへUPしたら完了です。
ただ、昔のように編集さんと雑談をするようなことはなくなったので、少し寂しいような気もしないでもないですが・・・。
あと外部スタッフにデータを送って、仕上げや背景などの手伝いをしてもらう場合デジタル環境はとても便利です。
おすすめはDropboxです。
データのやり取りも瞬時ですし、ぜひ活用してみてください。
最後にデジタル環境での弱点を・・・
それは不意におこるパソコントラブルです、何が原因なのか分かればいいのですが、私の場合原因不明のトラブルはしょっちゅうあります。
(最近は減りましたが)
そういった場合なんとか対処できるスキルがあると助かります。
どうしてもダメな場合は、パソコンサポートサービスもあるので検討してみてはいかがでしょう。
あとデータは必ずバックアップを取っておきましょう。そして作業中は必ずすぐ保存するクセをつけましょう。
突然ブレーカーが落ちて停電とか過去にありましたし、いきなりフリーズなんてしょっちゅうですから
(^_^;
それでもパソコンは手放せません。
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